猫にもニキビが発生することがあります。
これは、通称「猫ニキビ」または医学的には「痤瘡」と呼ばれ、主に下唇から顎の下や尾の付け根など、皮脂が多い場所の毛穴に黒いプツプツが発生します。
見た目は「汚れが付いた」ように見えるかもしれませんが、重症化して炎症を引き起こすこともあり、二次感染を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
今回はこのような「猫のニキビ」について詳しくお話ししていきます。

ニキビの原因

猫のニキビの原因については、複数の要因が考えられます。

皮脂の多い場所

猫のニキビは、皮脂が多く出る場所に多く見られます。これは、皮脂が毛穴を詰まらせ、細菌が繁殖しやすい環境を作り、炎症を引き起こす原因となります。

アレルギー

アレルギーは、様々な要因によって引き起こされる可能性がありますが、一般的には食物アレルギーや環境アレルギーが原因となります。食物アレルギーは、猫が摂取した食物に対する過敏反応が原因で、猫によって異なるタイプの食物に対してアレルギーを起こします。環境アレルギーは、家庭のペット、繊維、害虫などが原因として考えられます。アレルギーによって引き起こされる皮膚の炎症は、治療を受けない場合には悪化してしまう可能性があります。正確な原因を特定するためには、獣医師による診断が必要です。

抗生物質やステロイドの使用

一部の猫は、抗生物質やステロイドを使用することで、ニキビを引き起こすことがあります。抗生物質やステロイドの使用によりニキビが発生した場合は、動物病院に相談しましょう。

細菌や真菌の感染

猫のニキビは、細菌や真菌の感染が原因で発症することがあります。細菌は、毛穴内に生息しており、毛穴が詰まった状態や皮脂が多い状態で増殖し、炎症を引き起こします。
真菌は、猫の毛髪や皮脂などに生息しており、湿気や温度の良い環境下で増殖し、炎症を引き起こします。

ストレス

猫のニキビは、ストレスが原因の場合もあります。ストレスは、猫が感じる不快な状態を指し、それが生理的・心理的にも影響を及ぼします。ストレスによって猫は、様々な反応を示し、その一つが皮膚の炎症です。
猫にとってストレスを引き起こす要因には、環境の変化、人間や他の動物との接触、異なる食物や飲み物、慣れない環境などがあります。特に、慣れない環境に移動させることはストレスを引き起こす可能性があります。また、猫が長期間一人で留守番などをすることもストレスを引き起こします。

ニキビのできる場所と症状

猫のニキビは、顔や耳にできることが多いです。これらのニキビは、毛皮に油分がたまり、炎症を引き起こすことによって形成されます。猫のニキビは、赤く腫れた、痛みを伴う小さな腫れのように見えます。また、猫はニキビをつぶすために搔きまわすことがあり、その結果、周りの毛皮が損傷することもあります。飼い主さんが掻きむしりすぎないように注意深く見守ってあげましょう。猫のニキビは、治療を受けないと、他の場所へ感染を引き起こし、大きくなっていく可能性があります。早めに獣医師に診てもらうことをお勧めします。

ニキビのケア方法

猫にニキビが出来てしまった場合、飼い主は以下のことに注意する必要があります。まず、症状が軽度の場合は自分でケアすることができますが、人間のニキビ薬を塗るのは避けるべきです。次に、鋭利なものや爪、歯ブラシでニキビを除去しないようにしましょう。これらの方法は傷を残し、炎症を引き起こす可能性があります。適切なケア方法は、清潔なコットンやガーゼをぬるま湯で濡らし、ニキビ部分をやさしく拭き取ることです。重要なのは、ニキビをこすらないことです。猫はあごの下や口の周囲を触られるのを嫌がることが多いので、手短に済ませるようにしましょう。
シャンプー中には、あごの下をやさしく洗うことも有効です。口に入らないように、害のないシャンプーを使用しましょう。シャンプー成分が残っていると毛や皮膚に悪影響を与えるので、すすぎはしっかり行うようにしましょう。

愛猫にニキビができたら

愛猫にニキビができたら飼い主さんが自己流でケアをするのはやめましょう。しっかりと正しい知識を学び、適切な対処を行ってあげましょう。また、早めに動物病院を受診することをお勧めします。症状が悪化する前に獣医師にしっかりと診察してもらいましょう。

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