去勢・避妊手術は様々な病気から愛犬を守ってくれるというメリットがあります。
しかし、愛犬の体と心に大きな負担がかかってしまうのも事実です。
手術後、元気がなかったり、食事に手をつけなかったりといつもと違う様子がみられることもあります。

このような変化が起きると、飼い主さんは心配になってしまいますよね。
今回は、愛犬の去勢・避妊手術後に行いたい心のケアについてお話ししていきます。
手術をがんばった愛犬の心をケアしてあげられるようにしっかりと知識を付けていきましょう。

去勢・避妊手術後に行いたい心のケア

去勢・避妊手術を受けた愛犬は、元気がなくなったり、食欲がなくなったりととてもナーバスな状態にあります。
この時飼い主さんの態度がすごく大切となります。飼い主さんの態度ひとつで愛犬に与える影響も大きくなるため、しっかりと接し方を学ぶ必要があります。
これからワンちゃんの心のケアの方法について詳しくお話ししていきます。

いつも通り接する

ワンちゃんは去勢・避妊手術の際、初めて飼い主から離れて不安な時間を過ごすことが多いです。
また、麻酔は体への負担が大きいため、回復期になっても食事や排泄などの様子が普段と違うこともあります。
飼い主さんが不安そうにワンちゃんを見ていたり、過度に介入したりすることは、ワンちゃんの不安を増幅させる可能性があります。
だからこそ、愛犬を不安にさせないためにも、普段通り穏やかに接してあげることが大切です。

甘やかしすぎない

手術後、「可哀想だ」「痛いのによく頑張った」「今日だけは特別」などと甘やかしがちになることがあります。
しかし、ワンちゃんはそれが一時的なことだとは捉えません。長期的にその態度を当たり前だと思わせ続けると、愛犬にひとりで留守番をさせることが難しくなる恐れがあります。
抜糸後、獣医師が大丈夫だと判断した場合、留守番も通常通りにできるため、過剰に心配したり甘やかしたりするのは辞めましょう。
飼い主さんがすべき事は普段通りの愛情を注いであげることです。頑張った愛犬をついつい甘やかしてしまう気持ちは分かりますが、ワンちゃんの今後のことを考えると良くないため我慢しましょう。

動物病院へ連れて行く

なってしまうワンちゃんもいます。飼い主が犬の感情を理解し、病院に行くのを避けてしまうと、本当のトラウマになってしまいます。
それよりも、積極的に動物病院に行き、行けたらおやつをあげるなどして、楽しい記憶を上書きしましょう。
いつもの散歩コースに動物病院を入れて立ち寄るなど、頻繁に楽しい思いをさせることで、動物病院をトラウマの地にさせないようにできます。

去勢・避妊手術後の愛犬の変化

食欲が変化する

去勢・避妊手術後、ワンちゃんは体質が変わることがあります。
食事の量は同じでもエネルギーの消費量が変化したり、発情によるストレスがなくなることで気分が安定し、食欲が増したりすることがあります。
そのため、手術後にワンちゃんの食欲が増しても、極力以前と同じ量を与えるようにしましょう。
もし手術後1か月の間に、ワンちゃんの体重が変化するようであれば、当院にご相談ください。
専用の食事に替えるなどして、食事内容の見直しを行い、ワンちゃんにあった食事メニューを提案します。

性格が変化する

去勢・避妊手術後、性ホルモンの減少により、独占欲や闘争心が緩和され、以前と比べて他のペットとのケンカが減る可能性があります。
しかし、その他の性格に変化は考えられません。一部のワンちゃんは手術後に物音に敏感になったり、怖がりになることがありますが、これは手術に伴う外泊の影響が考えられますので、心配する必要はありません。

愛犬の様子を観察しよう

去勢・避妊手術は愛犬の心や体に大きな負担がかかります。大変な手術を頑張った愛犬の様子を飼い主さんはしっかりと観察してあげるようにしましょう。
何かおかしいところはないか小さな変化を見逃さず、少しでも異変を感じたら動物病院へ連れて行きましょう。
また、手術をがんばった愛犬にたくさんの愛情を注いであげてください。手術で不安な思いをした愛犬の心をケアできるのは飼い主さんだけです。
当院では手術後の悩みや不安についてもサポートをしていますので、ご気軽にご相談ください。